飲食店の収益を最大限高める方法を完全公開!!

「多店舗展開していきたい」「ゆとりのある暮らしを送りたい」飲食店を開業したならば、このような願いがある方も多いでしょう。

そして、この願いを実現するにはお金が必要です。

 

飲食店でお金を得るためには、収益性を高める必要があります。

収益性が低いままだと、お金を得るどころか赤字でお店を潰すことにもなりかねないのです。

そこでこのページでは、飲食店の収益性を最大限に高めるために考えられる、様々な方法を紹介していきたいと思います。

あなたのお店を繁盛店にするためにも、参考にしてみてください。

 

飲食店でかかる原価を徹底解説

脱サラした人は、独立したら経費の負担の大きさを痛感することになります。

サラリーマンの場合、仕事に関わる経費は会社持ちもため、実感がなくても仕方がありません。

しかし、独立したらそうは行かないのです。

 

利益とは、売上高からすべての経費を引いた残りです。

そして、確実に利益を上げていくためには、売上高を大きくすると同時に、原価を適正な範囲に収めるための管理が不可欠になるのです。

利益は単なる結果ではなく、計画的に生み出さなくてはいけません

 

毎月確実にかかる固定費

飲食店の経営にかかる原価は、「固定費」と「変動費」の2つの費用に分けられます。

まず固定費は、売上高の増減にかかわらず、お店を運営する限り固定的にかかる費用のことです。

売上高がゼロでも支払う必要があり、代表的なものに家賃と人件費があります。

 

家賃は営業日数や営業時間に関係なく、店舗を借りている間は常にかかる費用です。

家賃を少しでも低く抑えなければならないのはこのためで、売上が落ちると負担が重くのしかかることになります。

 

次に人件費です。

こちらは、社員の給料は固定費、パートやアルバイトの給料は変動費に分かれます。

いずれにしろ、スタッフを雇っている以上、人件費は必ず支払う必要があります。

 

リース料は、厨房設備などをリースで利用する場合に発生する費用です。

通常は5年契約となり、毎月一定額を必ず支払う必要が生まれるので、これも固定費として考える必要があります。

その他、細かく見れば、税金や火災保険料、法定福利費、各種基本料金(電気、ガス、水道、電話)も固定費になります。

 

また、始めて開業する人にとって、わかりにくいのが減価償却費ではないでしょうか。

減価償却費とは、店舗の内装設備等に使った費用を、法定の耐用年数に基づき何年かに按分して損金として計上していく費用のことです。

 

もう少し詳しく説明すると、内装や設備機器は何年にも渡っての使用する固定資産になります。

これらの資産は、投資した最初の1年だけでなく何年にも渡って利益を生み出します。

 

そうなると、最初の年に一度で損金処理をするのは不合理ということになります。

そこで、設備機器の種類ごとに耐用年数を決めて、按分して処理していくことになるのです。

 

つまり、帳簿上では毎月の経費として扱われますが、現金が出て行くわけではありません。

取得費用は最初に支払っているため、この費目に計上されたお金は手元に残ることになるのです。

そのため、通常は借入金の元本返済に当てられます。

このことを考えると、飲食業は借入金の返済をしやすい会計内容になっているのです。

 

売上によりまちまちな変動費

一方、変動費とは、売上高の増減に伴って金額の変わっていく費用のことです。

代表的なものは材料費で、他にも社員人件費の一部やパート・アルバイト費、諸経費があります。

 

変動費の中で、最も金額が大きくなるのが材料費です。

業種業態や商品政策によって変わりますが、一般的に売上高の35%前後になります。

単純計算で、100万円の売上高なら35万円、300万円の売上高に増えると105万円という具合に増えていきます。

 

諸経費とは、ここまで挙げた経費以外の費用で、代表的なものは水道光熱費があります。

その他にも、物件費、販売促進費、その他の雑費が考えられます。

最も費用がかさむのはエネルギー費ですが、その他3つの費用も馬鹿になりません。

 

物件費というのは、備品・消耗品費、事務用品費、装飾品費、サンプル費、メニュー費などで、修繕費もこの中に含まれます。

販売促進費とは形にならない費用のことで、販売促進費のほか、広告宣伝費、接待交際費、寄付金、諸会費などがあります。

その他の雑費は、以上に含まれない経費のことで、主なものは通勤交通費以外の旅費交通費、通信費、支払手数料などがあります。

また、貸しおしぼり代や貸しマット、貸し植木、ユニフォームのクリーニング代、ゴミ処理費用などもその他の雑費として扱われます。

 

飲食店経営のメリットを最大限活かす方法

損益計算書とは、すべての費用と収益を一覧表にしたもので、これを見れば一定期間の営業成績がひと目でわかります。

また、売上高と比べた各費用の割合もわかるので、適正な運営内容かどうかの判断材料とすることもできるのです。

 

飲食業の2大メリットは、投資額が比較的小さいことと、粗利益率が抜群に高いことです

投資額が小さいから、誰でもチャレンジすることができます。では、高粗利益率のメリットはどう活かせばいいのでしょうか。

 

高利益率のメリットを活かす

粗利益とは、売上高から材料原価を引いた残りの金額のことです。

つまり、粗利益で材料原価以外の費用を全てまかない、利益を残してかなければならないのです。

 

粗利益率が高いなら利益を残すのは簡単と思うかもしれませんが、その考え方は非常に危険です。

粗利益率が高いということは、あくまで利益を出しやすいだけであり、確実に利益が出るという意味ではないのです。

 

大切なことは、目標利益を確保するために必要な売上げはいくらで、経費はいくらに抑えなければならないのか、数字で把握していることです。

これが経営の基本となります。

 

飲食店の経営は、支出と収入の繰り返しです。

確実に利益を残すには、売上高を大きくするための努力と、原価を常に適正な範囲に収める管理が不可欠になるのです。

要するに、シビアな原価意識をもたなければいけないというわけです。

この意識の持続と実践により、小投資・高利益率という飲食業のメリットを受けることができるのです。

 

利益を残すために重要な初期条件

損益計算書の科目は、大類すれば「売上高」「材料費」「粗利益高」「人件費」「諸経費」「初期条件」「経常利益」の7つに分けられます。

これらの項目に、指標とされる数値を当てはめ管理します。

 

損益計算書はお店の運営を始めてからの数字になりますが、計数管理は毎月の経費だけでは終わりません。

開業後は、借入金を返済していかなければならないのです。

これらすべての支出を超える売上高を達成することで、やっと利益を確保できるのです。

 

ここで重要になるのが初期条件です。

初期条件とは、地代・家賃、支払金利、減価償却費の3つの固定費の合計のことです。

オープンの時点で支払金額が決まっていて、後からの変更がきかないので初期条件と呼ばれています。

できるだけ利益を残すためには、初期条件をできるだけ低くする必要があるというわけです。

 

また、減価償却費と純利益を足した金額をキャッシュ・フローと呼びます。

減価償却費は帳簿上では費用となりますが、実際にお金は出ていきません。

その分の現金は手元に残っているのです。

 

つまり、キャッシュ・フローは毎月の返済額の上限ということになります。

資金繰りに行き詰まるのは、返済予定額が返済可能額を超えている場合が多いですが、キャッシュ・フローさえしっかりと管理していれば返済に困ることはなくなるのです。

 

飲食店を運営するには様々な経費がかかりますが、それらを払い続けながらでも利益を出すことができるのは粗益率が高いからです。

ただしそのメリットも、適正な借入額でなければ発揮できません。

 

しかし、そもそも小さなお店の場合、大きな投資は必要ありません。

小投資でオープンできるメリットを追求すれば、高粗利益率というメリットも活かすことができるようになるのです。

 

確実に利益を確保するための損益分岐点

どの時点から利益が出るか知っておくことは、経営において非常に大切なことです。

なんとなく営業してみて、その結果利益が出ていたというようでは、そのうち赤字に転落する可能性が高いといえます。

なぜなら、利益が発生するポイントが把握できていないと、経費をコントロールできないからです。

これでは、いきあたりばったりとしか言いようがありません。

 

経営者に求められるものは、いかに利益を確保するかという発想です。

その考え方の基本となるのが、損益分岐点売上高なのです。

損益分岐点売上高とは、売上高と経費の総額が同じ状態の売上高のことです。

簡単に言えば、収支トントンの地点のことを指します。

つまり、この売上高を超えれば利益が出せるというわけです。

 

損益分岐点を下げるには、まず固定費を下げる必要があります。

要するに、初期条件をできるだけ低く設定しなくてはならないのです。

特に家賃を低く抑えることは、利益を出しやすくするために重要なポイントとなります。

 

ただ、固定費を下げるにも限度があります。そのため、材料費や人件費、諸経費といった変動費も上手にコントロールしなくてはなりません。

これが、収益性を高める上で最も重要な課題になるのです。

 

利益を確保するために必要な売上の求め方

損益分岐点売上高の考え方を使うと、利益を確保するために必要な客数と売上高を求めることができます。

一般的な飲食店の各経費の対売上高比率の指標は、材料費率35%、人件費率25%、諸経費14%となっています。

つまり、3つの経費を足した変動費率は74%ということになります。

 

わかりやすいように、客単価を1000円とすると、お客様が1人来店したときの売上高は1000円で、そのコストとなる変動費は740円となります。

つまり、お客様1人あたり260円残ることになります。

こうして残った価値を「限界利益」と呼び、まだ固定費はこの中に含まれています。

 

損益分岐点売上高とは、売上高と経費の総額が同じになる売上高のことです。

つまり、損益分岐点売上高は、固定費と限界利益とが同額になるときの売上高でもあります。

 

そして、固定費は売上高に関係なく一定のため、売上高が損益分岐点を超えると、限界利益から固定費を引いた残りが利益になります。

では、確保したい利益も固定費として考えるとどうなるでしょう。

この場合、損益分岐点売上高が目標利益を確保するための売上高ということになるのです。

 

このように、目標利益に必要な客数と売上高は、あらかじめ計算することができます。

そして、この数字を把握していれば、どの時点から利益が出るか簡単にわかるのです。

 

ただし、このような計数管理を実行するには、各経費をつねに適正な状態に保つ努力が不可欠となります。

どんなビジネスにおいても、収益性を高める手段は緻密な計数管理を実践し続けることしかありません

 

ロスとムダを徹底的に排除する方法

粗利益は売上高から材料原価を引いた残りのため、材料費を抑えればその分粗利益をふやすことができます。

これが実現できれば、高粗利益率という飲食業特有のメリットをさらに大きくすることができます。

 

とは言え、単純に材料費を下げるだけでは商品力を低下させるだけになります。

お客様の目がシビア時代、適正な材料費をかけなければ、他店との競争で生き残ることができません。

 

実は、一般の飲食店が抱えている課題は、粗利益率を高めるところにはありません。

経営に求められるのは、適正な粗利益率をつねに維持することなのです。

 

例えば、計算上は68%の粗利益率のはずなのに、毎月の結果は69%とか、70%になるケースは非常に多いです。

これは、材料のロスやムダを見過ごしている結果なのです。

このロスやムダを徹底的に排除することが、粗利益率を適正値に保ち、確実に利益を出すことにつながります。

 

わずか1%を甘く見てはいけません。

200万円の1% は2万円にもなります。

この2万円の利益を稼ぐために何人の客数が必要になるのか、これを考えてみると重大さがわかると思います。

 

飲食店では、調理ロスや廃棄ロスなど色々な材料ロスが発生します。

材料原価の管理とは、このロス率をできるだけ低くするための努力のことをいいます。

 

ロス率自体は、標準原価率と実際の原価率の差を計算すればすぐにわかります。

ただしここで問題となるのが、具体的にどの材料でどのくらいのロスが出ているかわからないことです。

食材はいろいろな商品に流用されているので、すべての材料のロスを正確に把握することは不可能といえるでしょう。

 

そこで、主要食材に絞り込み重点的に管理するようにします

細かいロスは仕方がないので、使用頻度と使用量の多い食材のロスを徹底的に排除していくのです。

そのために活躍するのがABC分析の手法です。

 

ABC分析とは、通常はどの商品が売れているか、どの商品の粗利益の貢献度が高いか、というメニュー分析に用いられる分析手法です。

メニューの中には必ず、売れ筋商品とそうでない商品が混在しています。

また、儲けの大きい商品とそうでない商品にも分かれます。

 

本来ABC分析は、このような商品それぞれの特性を的確に掴み、効果的なメニュー改定をしていくことで、お客様のニーズとのズレを修正していくための手法です。

お客様の支持度を見るための出食数ABC分析、売上高への貢献度を見る売上高ABC分析、粗利益高への貢献度を見る粗利益高ABC分析の3つの手法があります。

 

分析といっても、やり方は簡単です。

例えば出食数ABC分析なら、まず月間の商品別売れ行き個数を集計し、数の多い順に並べます。

次に、各品目別の構成比を算出し、その構成比を順次累計します。

そして、累計構成比の上位75%までがAランク、95%までをBランク、それ以下をCランクとするだけです。

売上高ABC分析の場合は、売行個数に単価を掛けて、粗利益高ABC分析の場合は売上高にそれぞれの商品の粗利益率を掛けて算出すればいいだけです。

 

主要食材の管理には、出食数ABC分析を利用します。

これは本来、売行個数の多い商品を特定するための分析ですが、売れている商品と使用頻度の高い材料はほぼ一致するのです。

 

一般的に、Aランクに入るのは全商品のうち10~20%程度です。

メニュー全体が40品目とすると、そのうちの5~6品目程度です。

この少数の売れ筋商品の材料を管理するだけで、全材料の約75%が管理できることになります。

 

実際の管理においては、特に廃棄ロスには注意が必要です。

例えば、食材を腐らせてしまったり、処理すれば使える部分を捨ててしまったりするムダは徹底的になくさなければなりません。

慣れないうちはオーダーミスや調理の失敗といった調理ロスも出るでしょうが、こちらもできるだけ早く改善する必要があります。

いい加減な原価管理では、いくら粗利益率が高くても適正な利益を上げることはできないのです。

 

棚卸しで利益を水増しする方法

常に正確な材料費を把握するためには、効果的な在庫管理が不可欠となります。

そのために必要となるのが、材料の棚卸しです。

棚卸しは一般の小売業でも行われている在庫管理の基本ですが、飲食店でも非常に大切な意味を持ちます。

 

小さな飲食店では、材料費を雑に捉えているところが少なくありません。

毎月の材料の仕入額をそのまま材料費としていますが、それではその月の正確な材料費を掴むことはできないのです。

なぜなら、月末の在庫量が毎月同じということはあり得ないからです。

 

また、棚卸しは在庫の確認以外にも、材料の品質チェックと正確な発注のためにも欠かすことができません

特に生鮮品が多いお店の場合は、チェックを怠るとすぐにロスが出てしまいます。

そのため、最低でも月に1回は実施するようにしてもらいたいと思います。

 

棚卸しが面倒になるのは、実施しやすい態勢になっていないことに原因があります。

あらかじめ適正な標準在庫数を決めて、材料のストック場所や配列順序を決めておけばそれほど大変なことではありません。

さらに、棚卸表を作成しておくと間違いもなくなるでしょう。

 

原価管理を徹底するためには、材料の納品時のチェックも欠かすことができません。

これには、検量、検質、検算の3つがあります。

 

検量で大切なことは、納品時に必ず現品に当たって確認することです。

納入業者に悪意がなくても、数や量のミスは起こります。

このようなミスは、発注書と納品書を見比べても発見することはできないのです。

 

数や量をチェックしたら、検質を行います。

特に生鮮品の場合、品質は商品のクオリティーを直接左右する最も重要なポイントになります。

仮に傷んでいたら大きな損失になってしまうので、アルバイトなどに任せず、必ず責任者がチェックするようにしましょう。

検算においては単価がチェックポイントです。こちらもミスがないとは限らないため、必ず実行するようにしましょう。

 

お客様の満足度を高め人件費を抑える裏技

飲食店の原価のうち、人件費には固定費と変動費の両面があります。

固定費になるのは社員の人件費の本給部分で、変動費と捉えるのはパート・アルバイト費です。

 

固定費は、売上高に関係なく毎月一定の金額がかかる費用です。

そのため、固定費の設定が高いと損益分岐点を押し上げてしまい、利益が出にくい体質になってしまいます。

固定費はできるだけ少なくしたほうが、利益を出すことができるのです。

 

そのため最近では、人件費を変動費化しようという流れになっています。

大手のチェーン店のスタッフがほとんどパート・アルバイトで占められているのは、人件費を低く抑えるための手法なのです。

 

そもそも小さなお店の場合、正社員を採用するケースは多くないでしょう。

経営者が主力の労働力となるため、大手の社員の役割を兼任しているのです。

だから、後のスタッフが全員パートやアルバイトでも、お店の運営に不都合は起こらないのです。

 

それなら人件費は問題にならないと思うかもしれません。

しかし、実はそうでもないのです。問題は、社員かどうかではなく、固定費か変動費かということなのです。

パートやアルバイトでも、毎月決まった金額の給料を払っているのであれば、それは固定費ということになるのです。

 

当たり前ですが、飲食店の来客数は決まっているわけではありません。

そして通常は、季節、月、週、曜日、時間帯によって、来客数は大きく変わります。

そのため、いつも同じ人数のスタッフで営業することは、非常に効率が悪いということなのです。

 

例えば、満席に対応するためのスタッフ数が基本になっているなら、来客数の落ち込む曜日や時間帯はスタッフが余ってしまいます。

反対に、人数を少なめに設定していると、来客数の多いときに対応できずお客様を逃してしまう可能性が高くなります。

無理して入店してもらっても、満足な対応はできずお客様を不満に思わせてしまいます。

そうなると、次の来店は期待できないのです。

人件費を抑えることができても、売上が上がらないのならマイナスでしかありません。

 

このように、人件費のムダは避けたいのですが、単純に低く抑えればいいというものでもありません。

お店の業種業態や規模によって、適正なスタッフの人数を考えなければならないのです。

そして、常に適正な人数を維持するということは、人件費を変動費化するということなのです。

 

ここで大切となるのは、スタッフの配置に計画性をもつことです。

明日は暇そうだから来なくていいとか、忙しいから来て欲しいなどと勝手なことを言っていたら、パートやアルバイトは辞めてしまいます。

 

勤務時間にも同じことがいえます。パートやアルバイトの人たちは、遊びで来ているわけではありません。

毎月いくら稼げるかはっきりしないなら、定着率が悪くても仕方がないのです。

 

来客数に応じたスタッフ数の計画を、ワークスケジュールと呼びます。

ランチタイムのピーク時には何名、アイドルタイムは何名という感じで、来客数の予測にしたがって人員配置を変えていくのです。

人件費は材料原価と並ぶ、飲食店の最大の原価となります。

この費用をどれだけ効率的に使うかで、利益は大きく違ってくるのです。

 

大手のチェーン店では、綿密な計算に基づく人件費管理が常識になっています。

小さなお店の場合、そこまで厳密に考える必要はありませんが、ある程度の調整は必要です。

パート・アルバイトが安上がりという感覚ではなく、実際に必要なスタッフという視点で慎重に検討してみてください。

 

人件費を考える上で最も大切なことは、お客様の満足を前提にすることです

人件費は決して余計な経費ではありません。

お客様に満足してもらうために、適正な人件費をかけるからこそお客様は支持してくれます。

その結果として、適正な利益を得ることができるのです。

 

また、ワークスケジュールを実現するには、スタッフの力量も問題になってきます。

スタッフの頭数が揃えばいいというものではないのです。

一人一人のスタッフが仕事をこなすことができなければ、適正な人数を決めることすらできないのです。

 

もちろん、人によって能力の違いはあります。

だから、その差を穴埋めできるような教育・訓練を徹底していくことが大切なのです。

その意味では、スタッフとスタッフの組み合わせも考慮しないといけません。

そして、スタッフに無理を押しつけるのもNGです。

スタッフに長く働いてもらわないと、安定したお店の運営はできないのです。

 

アルバイトが即戦力になる教育法

パートやアルバイトというと、安く使える労働力という発想をする人もいます。

しかし、雇う側がそのような考えなら、雇われる側も大した責任はないという考え方になってしまいます。

パートやアルバイトを即戦力にしたいのなら、このような考え方は改めなければなりません。

 

大切なことは、お客様にとって社員もパート・アルバイトも関係ないということです。

特に接客サービスのスタッフの場合、直接お客様に対応することになるので、お店の評価はパートやアルバイト次第といっても過言ではないのです。

 

パートやアルバイトの人件費は、同じ労働時間で考えると社員の半分程度ですむ上に人件費が変動費化できます。

しかも、忙しい時間帯や曜日だけ出勤してくれるため、経営者にとって大きなメリットがあるのです。

 

しかし、忙しい時間に働くスタッフは、暇な時間帯よりも高い能力が要求されることを忘れてはいけません。

暇なときなら多少まごついても大きな問題にはなりませんが、ピーク時はそうはいきません。

 

スタッフ1人の働きで、ホールだけでなく厨房まで混乱させることになりかねないのです。

スタッフ間の仕事のレベルの差は、最も大切なチームワークを壊してしまいます

 

また、パートやアルバイトだからと軽く考えていると、仕事の教え方もついおろそかになります。

例えば、適当な接客をして平気な顔をしているサービススタッフも少なくありません。

これは、サービス業としての飲食業の本質を、しっかりと理解させていないために起こるのです。

 

働きやすい環境へ配慮することは、パートやアルバイトにやる気を出させるために重要となります。

働きやすい環境とは、、、

・勤務時間の選択ができる

・仕事が標準化されていて、わかりやすい形で示されている

・評価・待遇の制度が確立されている

この3つの条件が満たされている職場環境のことです。

 

勤務時間の選択は、パートやアルバイトにとって当然のことのようですが、現実はそうでもありません。

お店の事情を押しつけているケースが少なくないのです。

 

パートやアルバイトにも個々の都合があります。

特に主婦の場合、家庭を第一に考えるのは当たり前です。

もちろん学生にも、学校やサークル活動などのスケジュールがあります。

このような個々の都合を最大限にくみ取って勤務時間を決めることが、長続きしてもらうための基本的な条件となるのです。

 

仕事の標準化で大切なことは、教えるべきことを明確にして、理解しやすい形で教育・訓練することです。

パートやアルバイトは、社員と比べて仕事の範囲が狭くなります。

そらならば、マニュアルもパート用のものを用意しておく必要があるのです。

 

まず彼らがお店でやるべき仕事の範囲を明確にして、それを最初にきちんと示すことが大切です。

そして、仕事に不慣れな人でも簡単に習得できるように、わかりやすい言葉でマニュアルをつくる必要があるのです。

 

評価や待遇の制度がいい加減だと、これも定着率を下げる原因になってしまいます。

人間だれでも、きちんと評価されるからこそやる気がでるものです。

一生懸命働いているのに不公平な扱いを受けては、だれだって嫌になるものなのです。

パートやアルバイトに限らず、人にきちんと働いてもらうためには、公平に評価する仕組みをつくることが不可欠なのです。

 

実際の教育で、最も重要になるのが教え方です。

作業が標準化できているということは、お店の基準がはっきりしていることでもあるのです。

教育する場合は、その基準通りに教えることが絶対条件となります。

 

教える人が違うと、教えられた内容が違うこともよくありますが、これでは短期間での成長は期待できません。

そのため、できるだけ同じ人間が教えたほうがいいでしょう。

 

また、現場でやらせてみて、少しでも間違ったところを発見したら、その場ですぐに指摘して直すことも重要です。

最初に教えるだけで後のフォローがなければ、一度で覚えることはできないので仕事自体が嫌になってしまうおそれもあります。

 

パートやアルバイトでも、勤める以上は早く一人前になりたいと思っているものです。

この気持ちを大事にしてあげることも大切なことです。教え方が悪いと、せっかくのやる気をなくしてしまいます。

パートやアルバイトを軽く見ているお店は、お客様の支持を集めることはできないのです。

 

収益を大幅に下げる飲食店の機会損失とは?

ちょっとしたことで売上を上げるチャンスを失ってしまう、飲食店の経営ではこのような事態が頻繁に発生します。

これを機会損失と呼びます。

 

経営の収益性を高めるには、この機会損失をできるだけなくしていかなければなりません

なぜなら機会損失を起こすと、数人分の売上が消えてしまうからです。

このことを考えれば、機会損失がいかに重要な問題かわかると思います。

 

機会損失の危険性は、毎日の営業にたくさん潜んでいます。

ところが発生しても、それに気づくことはなかなかできません。

なぜなら、機会損失を起こしても正確な数字で記録に残らないからです。

ちゃんと対応すれば得られた利益とはいえ、その金額は不明です。だから余計に見過ごされてしまうのです。

 

例えば店内が満席の状況で、お客様が入ってきたが店内の状態を見て帰ってしまったというケースや、お客様が追加オーダーの合図を送っているのに、スタッフが気づかないためにオーダーを取りやめてしまうといったケースはよく見られます。

 

いずれのケースも、スタッフの対応がまずかったことに原因があります。

きちんと対応さえしていれば、売上が上がったはずなのです。

これらの機会損失は、スタッフの教育を見直し、サービスの仕方を徹底すればかなり防ぐことができます。

 

満席状態といっても、いつまでもその状態が続くわけではないのです。

本来なら、お客様が入ってきた時点で待ち時間を告げるべきなのに、それを怠ってしまうのです。

 

お客様に待ち時間を告げるのは、お店側の義務であり、礼儀でもあります。

どうしても断らないといけないときは、サービス券などを渡し謝罪の気持ちを表すべきなのです。

このようなケースはあらかじめ想定できるため、対処方法を決めたマニュアルをつくり、きちんと守るよう指導することが必要です。

 

追加オーダーの合図を見逃してしまうのは、スタッフがお客様をきちんと見ていない証拠です。

つまり、普段からいい加減なサービスを許しているということにもなるのです。

お客様から目を離さないということは、接客サービスの基本となります。

 

とは言え、これは難しいことではありません。

例えば、常にお客様のコップの水に注意するよう、徹底させればいいのです。

そうすれば、スタッフは自然とお客様の状態に注意を向けるようになります。

常にお客様を見ていれば、追加オーダーの合図を見落とすという初歩的なミスは確実に防げるのです。

 

さらに、食器を下げる作業がスムーズに完了すれば、お客様の回転もよくなり満席状態も緩和されます。

満席が続いても、来店したお客様に対応する時間的な余裕が生まれるのです。

このように、サービスというのは流れのため、ひとつ改善することで全体が改善されることは珍しくありません。

 

また、商品の売り切れも、よくある機会損失のひとつです。

この機会損失は、予測以上にお客様が来店した場合と、客数予測が甘いケースに分かれます。

いずれにしても、責任は経営者にあります。

なぜなら、客数の予測は経営者の仕事だからです。

 

また、売り切れと聞いてお客様はどう思うでしょうか。

なかには、その商品を食べに来店してくれたお客様もいるかもしれないのです。

メニューに載せている商品を出さないというのは、お客様に対する裏切り行為ということになるので注意が必要です。

 

さらに機会損失のダメージは、売上を失うだけではすみません。

お客様からの信頼も失っていることを認識しなくてはならないのです。

お客様は、不信感を抱いたお店を利用することはありません

他のお店はいくらでもあるのです。

つまり、お客様をしっかり掴むチャンスは、それほど多くはないということです。

 

機会損失は、対処の認識がないとまず意識されることがありません。

それがもっとも危険なのです。

まず経営者がどれくらいの問題意識をもてるか、機会損失を防ぐにはこれが最も重要なのです。

 

諸経費を徹底的に下げる方法

諸経費の標準値は、対売上高で14%です。

材料原価率が35%の場合、その4割にもなる大きな経費となります。

お店の収益性を高めるには、諸経費のムダもできるだけなくす必要があります。

 

飲食店の諸経費は細々とした経費の合算となりますが、中でも大きな比重を占めるのが電気・ガス・水道のエネルギーコストです。

エネルギーコストだけの対売上高比率は通常5~8%で、この数字は一般に飲食店が適正な経費を使って得られる利益とほぼ同じになります。

 

そのため、誰もがこのムダをなくしたいと考えます。

しかし現実的には、エネルギーコストのムダはどこのお店でも発生してしまっています。

 

このムダをなくすためには、まずどこでムダが発生しているのかを発見しなくてはなりません。

そして、それぞれのムダの解決策を考えます。

ムダをなくすには、この地道な努力を重ねていく以外に方法はないのです。

 

では、エネルギーコストのムダは、どのような形で発生するのでしょう。

お店の中を丹念に点検してみれば、日々の営業の中でもムダな部分が見えてくるでしょう。

 

例えば、水道の出しっ放しや、ちょっとした水漏れによる水道料金のムダ、照明の消し忘れや、フィルターの汚れによるクーラーの電気料金のムダ、コンロの口火のつけっぱなしによるガス料金のムダなど、探せばいろいろと出てくるでしょう。

 

これらのムダは、一見たいしたことないように見えるかもしれません。

しかし、その積み重ねがコストを押し上げているのです。

 

また、かかった費用が自動的に支払われていくことも、ムダを引き起こす原因となります。

請求書を見てもピンとこないため、なかなか削減しようとは思えないのです。

しかし、このような発想ではしっかりとした計数管理はできません。

毎月一定でないエネルギーコストは変動費になります。

毎月変わるのは当然ですが、その使用量が売上高に対して適正かどうか判断することが必要なのです。

 

計数管理に厳密な大手チェーンなどでは、メーターチェックを実施しています。

最低でも週に1回は実施し、標準使用量を設定しているのです。

個人店でそこまで徹底する必要はありませんが、売上高に対して適正な数字という発想は必ず必要になります。

 

エネルギーコストの節約というと、極端なことをしてしまうケースも少なくありません。

例えば、電気料金の節約のため冷暖房の効きを抑えたり、お店が空いているときに店内の照明を弱くしたりしてしまいます。

 

しかし、節約とケチることは同じではありません。エネルギーコストは、売上を上げるために必要な費用なのです。

その適正な費用をケチっていたら、売上を下げてしまうおそれもあります。

お客様を忘れた発想では、お客様を失ってしまうことを忘れないでください。

 

諸経費の中でエネルギーコストの次に大きい費用は、備品、消耗品関係です。

中でも、食器類はどんなに注意していても必ず破損が起こります。

 

例えば、少し欠けた食器をそのまま使用するお店もありますが、これではお客様の信頼は得られません。

また、お客様がケガをすると、大きな問題に発展してしまいます。

 

また、経費を削減するために食器の補充をしないケースもありますが、ピーク時に食器が足りなくなり、洗い場が大混乱する事態を招きます。

そして、結局はお客様の信用を落とし、売上を落としてしまいます。

つまり、食器代をケチったために、食器の代金どころではない損失を生むことになるのです。

 

結局のところ、ムダの削減で大切なことは、お客様の満足を第一に考えることです。

諸経費についても、「お客様を満足させるために必要な経費かどうか」を考え節約を追求してみてください。

 

最も優先的に管理すべき2大原価の抑え方

材料費と人件費は、飲食店の2大原価となります

そのため、あらゆるコストの中で最優先に管理する必要があるのです。

これら2つの原価率が高すぎれば利益は出ません。

しかし、あまりに低くしてしまうとお客様に支持されなくなってしまうのです。

 

なぜなら、材料費率が低すぎるということは、値段に対して商品がチープで割高感が目立つことになります。

人件費率が低すぎるということは、サービススタッフの数が少なすぎるかレベルが低すぎるということになり、まともな接客サービスを受けられないということになるのです。

 

だからといって、材料費率と人件費率を高く設定すればいいというわけではありません。

当然ですが、2つの原価をかけすぎれば利益を圧迫してしまいます。

そこで、適正原価率という考え方が重要になるのです。

 

飲食店の標準原価率は、材料費率が35%、人件費率が25%となっています。

しかし、飲食店といっても様々な業種業態があるため、すべてがこの標準原価率でなければならないというわけではありません。

2つの原価率の合計が、対売上高の60%を目標値とするという意味なのです。

 

飲食業界では、材料費をフードコスト、人件費はレイバーコストと呼び、この合計のことをFLコストといいます。

そして、FLコストを60%以内に収めることが、健全経営の指標とされています。

材料費率と人件費率を合わせて考えるのは、この2つの原価が2大原価であるためです。

収益性を高めるための最も重要なポイントとなりますが、合計で考える理由はそれだけではありません。

そのポイントは、お客様の満足を提供する考え方ということです。

 

飲食店の付加価値は商品、サービス、雰囲気の3つの価値のトータルで決まります。

つまり、商品とサービスは切り離すことができないのです。

そこで、お客様に適正価格として満足してもらうために、お店の業種業態の特徴に基づいた、材料費率と人件費率のバランスが重要になります。

 

例えば、ステーキ専門店なら牛肉が命となります。

牛肉の品質そのものがお店の魅力の最大の訴求力になるため、材料費率は高く設定する必要があります。

 

しかし、ステーキ専門店は客単価を高く設定できます。

そのため、粗利益を確保することは難しくありません。

また、調理の加工度が低いため人件費率は抑えることができます。

その結果、FLコストの割合は適正原価に収めることができるのです。

 

反対に、喫茶店の場合は材料費率が低く抑えられますが、客単価も低くなります。

粗利益率が少ないために人件費の割合は高くなりますが、材料費が低いためFLコストの合計は適正範囲に収めることができるのです。

 

要するに、お店の業態でバランスを考えればいいのです。

料理に力を入れてそのお値打ち感で勝負するのなら人件費は抑え、サービスを重視して人件費をかけるのなら材料費は抑えるということです。

 

利益を底上げするお酒の活用法

収益性を高めるためにまず経費を抑える必要がありますが、それだけでは限界があります。

経費をギリギリまで抑えて利益率が上がったとしても、利益の金額が小さくては努力の甲斐がありません。

 

そのため、本当に収益性を高めるには売上高を上げる努力をしなければなりません。

利益率というのは対売上高の比率となります。

売上高を上げることができれば、利益率が変わらなくても利益は大きくなるのです。

さらに、経費を削減して利益率が上がれば、さらに利益を高めることができます。

 

当たり前のことですが、これを実現しているお店は多くありません。

なぜなら、売上高を増やすのは難しいと思われているからです。

 

売上高を上げる方法は2つに分けることができます。

1つは客数を増やす、もう1つは客単価を上げることです。

売上高は「客数×客単価」で決まるので、客数か客単価のどちらかを増やせば売上高は上がるのです。

 

しかし現在では、競争が激しくなっているので客数の大幅アップは難しいといえます。

それなら客単価アップを目指すことになりますが、これも簡単ではありません。

最も簡単な方法は値上げですが、何の理由もなく値上げをすることは、自分で自分の首を締めるようなものです。

 

では、値上げをせず客単価を上げるにはどうしたらいいのでしょう。

まず考えられることは、品数を多くオーダーしてもらうことです。

 

例えば、サラダやデザート、コーヒーなどをおすすめできる業種業態なら可能性は高いといえるでしょう。

しかし、無理強いするようなオーダー取りをすれば、お客様に不快な思いをさせてしまいます。

さりげなくおすすめして、オーダーしてくれたらラッキー程度に考えなければなりません。

 

また、セットメニューにして客単価を上げるという方法もありますが、割安感を上手に表現しないと、材料費率が上がり逆効果という結果にもなりかねません。

 

このような状況を踏まえて考えるべきことが、お酒の売り方です。

居酒屋のようにお酒をメインに売るお店以外の業種業態では、お酒の注文は追加オーダーと考えられます。

しかし、お酒のオーダーは通常の追加オーダーとは異なるのです。

 

外食はレジャーということができますが、ビールを1本注文するだけで食事がレジャーに変わります

レジャーという意識があるからこそ、お客様はお金を余計に使ってもいいと思うのです。

そのため、お酒をオーダーするお客様が多ければ自然と客単価は上がります。

 

例えば、ギョーザとビールが売れているラーメン店の客単価は、ラーメン単品しか売れないラーメン店の1.5倍から2倍近くになります。

しかも、お客様全員がギョーザとビールを注文するわけではありません。

2人に1人がオーダーしただけで2倍近くになるのです。

 

お酒は料理に比べて原価率が高いため、売れても利益が出ないと思うお店も多いです。

しかしそんなことはなく、数がまとまることで大きな利益になるのです。

 

また、お酒は料理と違い調理という手間がいりません。

しかも、お酒だけオーダーするということはありません。

料理をオーダーした上に、追加としてオーダーしてもらえるものです。

 

お酒を売るためには、ラーメン店のギョーザのような気のきいたつまみが重要になります。

そして、このようなつまみは原価率を低く抑えることができます。

つまり、トータルで考えると、お酒の原価率はほとんど問題にならないのです。

 

飲食店における二毛作とは?

飲食業における二毛作とは、昼と夜とで別のお店になることを表現しています。

1つの店舗で2種類の飲食業をするという意味です。

 

一般的に飲食店の営業は、ランチとディナーに分けられます。

そして、飲食店の書き入れ時はディナーの時間帯です。

ところが、ほとんどの飲食店が苦戦しているのがディナーなのです。

 

お酒を積極的に売る目的は、ディナーの客単価を上げて売上高を確保するという意味があります。

客数を増やすのが難しいなら、せめて客単価を上げようという作戦です。

 

しかし、二毛作は違います。

なんとか客単価を上げるのではなく、夜の時間帯は最初から客単価を取れる業態に変えてしまう戦略になるのです。

そのため、中途半端な取り組みでは絶対にうまくいきません。

 

二毛作を導入するために最初に考えることは、昼と夜とではお客様の利用動機が違うことです。

お客様の利用動機は、日常的利用動機と非日常的利用動機に分けられます。

これを時間帯で分けると、ランチは日常的、ディナーは非日常的な利用動機となります。

 

もっと具体的に言えば、空腹を満たすだけの利用なのか、レジャーとしての利用なのかということです。

そして、目的が違えば、お客様の予算も違います。

 

ランチは毎日食べなければならない食事のため、できるだけ安く上げたいと思います。

ランチで価格競争が激化しているのは、不景気のせいだけではありません。

もともとランチは経済性が優先されるものなのです。

 

対して、ディナーは毎日欠かせないという利用動機ではありません。

普通の人が毎日ディナーを楽しんでいたら、生活が破綻してしまいます。

一般的には、月に数回程度の贅沢を楽しむ日なのです。

つまりレジャーといえるので、許容される客単価も高くなるのです。

 

ここで考えないといけないのは、レジャーにはレジャーにふさわしい場が必要ということです。

例えば牛丼のチェーン店では、ディナーを楽しむ気になれません。

 

そのため二毛作を成功させるには、お客様の利用動機に合わせて昼と夜の売り方や売り物を明確にして、その違いをアピールする必要があります。

 

まず夜のメニューは、お酒を楽しむことを前提にしたものに切り替えます。

食事メニューに重点を置いても構いませんが、その前に軽くでもお酒を楽しむことで食事がレジャーになるのです。

つまみやサブメニューを充実させ、楽しめるお店を前面に押し出す必要があるのです。

 

レジャー対応型メニューのお手本は、居酒屋メニューです。

サラリーマンの仕事帰りの一杯から家族での食事まで、ほとんどの利用動機に応えられるメニュー構成となっています。

 

ただし、居酒屋メニューをそのまま真似してもうまくはいきません。

なぜなら幅広いメニューにすると、それだけ仕入業務が繁雑になります。

しかも材料の種類が増えれば、材料ロスも発生しやすくなるのです。

 

さらに、調理技術や人数など調理態勢の問題も出てきます。

そして、職人を雇えば人件費がかかります。

これらの問題をきちんとクリアできなければ、居酒屋メニューは実現できないのです。

 

そのため、中途半端に居酒屋の真似をするのではなく、自店の業種業態に適した夜の売り方を編み出す必要があります。

例えばメニュー品目数を絞り込み、一般の居酒屋では出せない手づくり感のあるものにしたり、こだわりを感じるアルコールを提供したりすることが考えられます。

要するに、居酒屋とは違う個性を打ち出すことが必要になるのです。

 

もう一つ、二毛作で大事なことは、お店のイメージを昼と夜で変えることです。

とは言え、あまりお金をかけては意味がないので、どうすればあまりお金をかけずに変身できるか考えてみてください。

イメージというのは、ちょっとした工夫で変えることができます。

 

売上をさらに伸ばすテイクアウトの導入法

飲食店の弱点は、席数が限られていることです。

売上は客単価と客数で決まりますが、客数アップのネックとなるのが席数なのです。

 

満席状態の場合、お客様を断らなければならないことは経営者にとって残念なことです。

お客様を入れることができていれば、それだけ売上が上がっているのです。

 

最近では行列のできる店が話題ですが、基本的にお客様は待ってはくれないものです。

とくに小さなお店は、席数が少ないのでこのような状況がよく起こります。

 

また、お客様の滞在時間という問題もあります。

限られた席数で客数を増やすには、客席回転数を高めるしかありませんが、これもなかなか思うようにいきません。

満席だからと席を立ってくれるお客様ばかりなら問題はありませんが、そのようなお客様ばかりではありません。

 

そこで、お客様に帰ってほしいという意思表示をするお店もありますが、お客様を追い出すような態度ではお客様の信頼を得ることができません。

 

一般的に飲食店は、来店してくれたお客様に対応する商売と考えられています。

しかし、このような受け身の姿勢では結局、客数を増やすことができず売上も頭打ちになってしまいます。

そこで考えて欲しいのが、テイクアウトへの取り組みなのです。

 

最近はテイクアウトを導入する飲食店が増えていますが、小さなお店ではまだ多いとはいえません。

テイクアウトは大型店の商売と思いがちですが、お客様のニーズの見込める立地であれば積極的に取り組むべきなのです。

 

例えば、ランチタイムのライバルはコンビニとなります。

この理由は、ランチタイムの飲食店は混んでいる、時間がないというものがほとんどなのです。

 

お店にお客様が行列してくれるのは、話題性や人が並ぶと並びたくなる心理といった要素が絡んでいるためです。

時間に余裕のない通常のランチタイムは、できるだけスピーディーに済ませたい人がほとんどなのです。

だから、テイクアウトが有効になるのです。

 

またお店側から考えると、テイクアウトのための人件費がかからないというメリットがあります。

客数を増やす手として出前も考えられますが、こちらは出前のための人手が余計にかかります。

テイクアウトなら、仕込みや調理態勢を見直すだけで、現状のスタッフでも十分に対応できるのです。

 

最近では便利な包材が開発されていて、何でもテイクアウトにすることができます。

さらに、お土産にも対応するために、持ち歩いても恥ずかしくない包材を使えばいいでしょう。

 

利益を増大する宴会の様々なメリット

収益力をつけるには、宴会に強いお店にしなくてはなりません。

宴会に強いお店と弱いお店を比べると、収益性に雲泥の差があります。

 

宴会には飲食店にとって多くのメリットがあります。

1つ目は、まとまった人数で利用してもらえるということです。

たった一組で客数がぐんと増えるから、非常に効率のいい営業ができるようになります。

 

2つ目は、客単価が高いことです。

宴会はお客様にとって、極めて非日常的な利用動機となります。

そのため、通常の利用金額よりも高くなってもあまり抵抗がないのです。

 

3つ目は、宴会用のメニューは利益率を高めやすいという点です。

もちろん、お値打ち感のないメニューはダメですが、見た目の華やかさなどで原価率をカバーするテクニックはいくらでもあります。

さらに、会社の集まりなどの場合、今まで利用してもらったことのない人招かれる場合があります。

これは、新規客獲得のチャンスにもなるのです。

 

宴会にはこれだけ多くのメリットがあるので、そのニーズを取り込まない手はありません。

最近では、小さなお店でも、宴会に力を入れるところが増えています。

小さなお店では宴会ができないというわけではないのです。

 

宴会は、大型店の専売特許ではありません。

小人数の宴会なら小さなお店でも十分対応できますし、人数によっては貸し切りという手もあります。

問題は、お店側の宴会の捉え方です。宴会は忘年会や新年会くらいしかない、という思い込みが足を引っ張るのです。

 

確かに宴会シーズンといえば年末年始ですし、この期間は飲食店の最大の書き入れ時となります。

普段の3倍以上売り上げるお店も珍しくありません。

しかし、そこにばかに目がいくために、他の宴会ニーズを見逃してしまうのです。

宴会に強いお店にするには、宴会ニーズは一年中あるという発想をもつことが必要です。

 

まず、お客様の一年間のライフサイクルに目を向けてみましょう。

そうすれば、さまざまな宴会ニーズがあることがわかります。

 

例えば3月、4月なら、卒業や入学、入社、転勤の季節で、いずれもお祝いごとを伴います。

それならば、そのお祝いをお店でやってもらえばいいのです。

きちんとした宴会の形でなくても、親しい人たちが集まるなら立派な宴会といえます。この発想が大切なのです。

主婦のサークル活動にも宴会ニーズはたくさんあります。

立地によっては、ホームパーティー代わりの利用も考えられます。

 

宴会ニーズは潜在的なものが多くなります。

そのため、宴会プランをつくりアピールすることが必要です。

ただし、「各種宴会承ります」という感じでは不十分です。

サークルのお疲れ会にもご利用くださいなど、提案型のアピールが大切となります。

 

お1人様が入りやすいお店とは?

最近では、ほとんどのお店にカウンター席があります。

カウンター席といってもいろいろありますが、ほとんどの場合は席数を確保するため作っているのでしょう。

 

実際、すべてをテーブル席にするよりも、カウンター席を設けるほうが席数を確保できます。

そのため、小さなお店では業種にかかわらず、カウンター席をつくっています。

 

ここで問題となるのが、カウンター席をどう利用してもらうかということです。

一般的な飲食店の場合、カウンター席は席数を増やすためだけに設ける席ではありません。

一人客への対応という、大切な目的があるのです。

 

つまり、カウンター席があるお店は、基本的に一人客を歓迎するお店なのです。

ところが、カウンター席を設けているにもかかわらず、一人客を大切にしないお店がたくさんあります。

 

昔から飲食店は、一人客を軽んじる傾向にあります。

理由は客数を稼げないからです。

一人客に4人掛けテーブルを占領されたら損をするという発想なのです。

 

確かに、4人掛けテーブルに1人ずつしか座らなければ、効率は非常に悪くなります。

しかし、それが一人客を軽んじていい理由にはなりません。

何人で来店しようがお客様はお客様なのです。

 

一人客は、客数だけ見ればたったの1人です。

単純に考えると、売上は2人客の半分になります。

 

しかし、売上高というのは、一組の客数だけで決まるものではありません。

お店にとって最も大切なことは、同じお客様の来店頻度です。

たとえ一人客でも、月に何回も利用してくれれば月間の売上貢献度は大きくなります。

 

一方、2、3人で来店してくれても、月に1回も利用してくれなければ、月間の売上貢献度は小さくなるのです。

これこそ固定客が重要な理由です。

 

もちろん、来店頻度でお客様のありがたさが変わるものではありません。

たまにしか来店してくれなくても、ありがたいお客様なのです。

同様に、1人だとしてもありがたいお客様なのです。

 

また、普段は1人でも、友人などを連れてくることもあるでしょう。

さらに、気に入れば周囲に宣伝もしてくれます。

来店するときは1人かもしれませんが、何人ものお客様を紹介してくれるのです。

 

そもそも、4人掛けテーブルを基本にするから席の効率が悪くなります。

2人掛けを基本とすれば、席をくっつけることでどんな客数にも対応できるのです。

 

お店の未来を握る女性客に好かれる方法

これからの飲食店は、女性客を取り込むことが成功のための大きなポイントになります。

女性客に嫌われるお店では、繁盛店になることはできません。

 

女性客を取り込んで成功した例として、第一に挙げられるのは居酒屋でしょう。

昔の居酒屋は、酔っ払いだらけというイメージが強く、女性に敬遠される傾向にありました。

それが最近では、女性客が安心して利用できるお店に変身したのです。

 

では、なぜ女性客に好かれることが大切なのでしょう。

その理由は、客数が一気に増えるからです。

女性客の集まるお店には男性客も集まりますが、その逆はほとんどありません。

 

なぜなら、女性客が入りやすいということは、雰囲気のいいお店ということだからです。

そのため、誰でも安心して利用することができます。

女性客に好かれるということは、幅広い客層に好かれるための条件ともいえるのです。

 

また、女性客はお値打ち感に敏感で、お店選びの評価もシビアな傾向にあります。

その一方、自分の行きつけのお店をもちたがる傾向も強いといえます。

そのため、固定客になりやすいのです。

 

さらに、女性客には飲食店利用の主導権がある場合が多いといえます。

例えば、住宅地立地のお店は、主婦層に嫌われたらまず繁盛はできません。

また他の立地の場合でも、カップルの場合は女性に主導権があるほうが多いのです。

 

実は女性客に好かれるお店にするのは、特別なことは必要ありません。

最も大切なことは、センスのよさと磨き上げた清潔感です。

しかし、これらは成功をめざす飲食店なら当たり前の条件なのです。

 

また、女性客に支持されるには、配慮の行き届いたサービスが不可欠です。

これも、多くの人に支持されるためには必要な条件なのです。

 

雰囲気づくりとしては、明るくシンプルな内装デザインが好まれます。

流行を取り入れることも大切ですが、すぐに飽きられる要素は取り入れないほうが無難です。

置物や小物類などで、ちょっとしたところにセンスのよさを表現するといいでしょう。

 

利益を出す飲食店を経営しよう

このように、飲食店の収益性を高めるために様々な手を打つことができます。

あなたの飲食店を繁盛店に成長させるために、ぜひ実践してみてください。

全てを実践に移すことができれば、きっとあなたのお店の収益性は大幅に高まることでしょう。

大変かとは思いますが、夢の実現のためにがんばりましょう。

 

こちらでは助成金無料診断サービスについて紹介いたします。

中小企業経営支援センターでは、事業主の皆様がどんな助成金を受給することが可能なのかご確認いただく目的で、助成金無料診断のサービスを実施させていただいております。

お問合せフォームにて事業主の皆様からの助成金無料診断のご依頼を受付中でございますのでどうぞお気軽にご利用ください。

お電話での助成金無料診断も勿論可能でございますので、どうぞお気軽にお問い合わせいただけますようお願いいたします。

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