お店を作っても、何もしなければ安定してお客様に来てもらうことはできません。
特にエステやネイルサロンの場合、通りがかりでふらっと入る人は少ないので、予約をしてもらうための販促活動が必要になります。
ところが、一言に販促活動といってもその種類は様々で、お店をオープンしたばかりでは何をすればいいか分からないですよね。
そこでこのページでは、お店をオープンして間もないサロンがどのような販促活動を行い、人気店まで上り詰めればよいか解説していきましょう。
販促活動の準備は、オープン前からやらなければなりません。まだサロンをオープンしてない人こそ、この記事を参考に準備を進めてください。
人気店になる秘訣は販促活動にある
費用対効果を考えた販促方法の選び方
お客様にお店のことを知ってもらうためには、販促活動が不可欠です。
販促の目的はただ一つ、より多くの人に自店へ来店してもらうことです。
店舗を経営していくうえでは、マーケティング手法を駆使して効率的に集客できることが重要なポイントとなります。
販促活動にはたくさんの方法がありますが、費用対効果を考慮しどの方法を採用するか決めなければなりません。
では、具体的にどの方法がうまくいくのでしょうか?
この答えが分かっていれば誰も苦労はしません。
答えが様々に変化するから、販促は難しいのです。
販促活動の答えは、あらゆる仮説を立て実践に移した上で結果を検証し、改善を重ねていくことでしか見つかりません。
最初の戦略がうまくいくこともありますが、それが最適かどうかは分かりません。
もしかしたら、もっとうまくいく方法があるかもしれないのです。
また、時流や競合店等の要素により、戦略はどんどん通用しなくなっていきます。
そのため、常に仮説、検証を繰り返し、最適な集客方法を探し続けなくてはならないのです。
情報量はホームページが圧倒的
販促を行なう上で、まずはどの媒体を使うか決めなくてはなりません。
リラクゼーションサロンで使用できる媒体はそれほど多くなく、新聞折込みやポスティングチラシ、地方紙やミニコミ誌、タウンページ、ホームページがメインとなるでしょう。
最近では、ホームページを活用したメディアミックスで集客する手法が一般的となっています。
これは、チラシやフリーペーパーにホームページアドレスを明記し、情報量の多いホームページに誘導する方法です。
スペースの限られた広告では伝えきれないことも、ホームページに誘導することで伝えることができるのです。
ベストな商圏エリアを設定する4つのポイント
サロンを経営していく上で「商圏」という考え方は非常に重要です。
商圏とは、お客様が自店に来てもらうことができる範囲のことを指します。
リラクゼーションサロンでは、認知度、競合店との力関係等を考慮した上で、お客様が自店を身近なものと感じて来店してくれる確率の高い地域が商圏となります。
どの地域までが自店の商圏であるかを把握することは、販促計画立案に大きく影響を与える重要な要素なのです。
そこでここでは、あなたのお店にベストな商圏を設定するポイントを紹介していきます。
まず考えなくてはならないのは、地域や街の特性です。
中長期的な戦略をつくる場合、地域や街の特性は大きく影響します。
例えば、人口が増加し世帯数が伸びている街であれば、お客様を増やすことは容易であり有望な地域と考えることができます。
逆に、人口や世帯数が減少している地域では、お客様を確保するには工夫が必要になります。
また、都心部と地方、駅前と郊外で特性は異なってきます。
次に、競合の状況を考えます。
一般的に、競合の少ない地域ならお客様の確保は簡単です。
逆に、競合がたくさんいる環境では、競合との競争が激しくなるのでお客様の確保が難しくなるでしょう。
競合を考える場合は、エステ・サロン一店舗当たりの人口を考慮に入れて考える必要があります。
それと合わせて、競合の調査を行なった上で、経営戦略を立てていきましょう。
次に考えなくてはならないのは、地理的要因です。
山や河川や道路、行政区画などによって、人の動きは変化します。
地理的要因は、商圏を決める上欠かせない要素となります。
そして最後に、現状の顧客分布をチェックします。
現状の顧客分布分析は、店舗の販促活動の現状を把握する上でも重要な要素です。
具体的には住宅地図を使い、一定期間内に来店した顧客の住所にシールを貼っていくと、期間内に来店している顧客のエリアが目でみてわかります。
これを参考に、チラシやポステイングエリアを設定していくとよいでしょう。
人気店となるにはシェアを拡大しなくてはならない
広く知られる必要はない
マーケティングにおいて最も重要となるのは、商圏エリア内での認知度を上げることです。
強い店舗をつくるためにはシェアを拡大しなくてはなりません。
シェアを拡大するために広く知られる必要はなく、商圏内の地域でいかに認知度を高めるかが重要になります。
一人当たりの年間消費支出金額をマーケットサイズと呼びます。
マーケットサイズは、全国でリラクゼーションサロンに行った人の年間消費支出の合計金額を日本の総人口で割ることで算出されます。
自店のシェアを考える上で必要となるので、合わせて確認しておくとよいでしょう。
まず目標とすべきは7%のシェア
地域の中で存在を示せるようになるには、シェアを7%以上確保する必要があります。
新規開店の場合、まずはここを目標とすればよいでしょう。
その後、地域の中で影響力が発揮できる11%、人気店の仲間入りができる15%、地域の一番店となる19~26%を段階的に目指していきましょう。
シェアが26%になると圧倒的な一番となり、誰でもその店を知っている状態ということができます。
ちなみにシェアは、、、
シェア=売上高÷(マーケットサイズ×商圏人口)
の式から求めることができます。
商圏エリアを広めてもっとお客様を集めたいと考える方もいますが、このような施策は地域でトップシェアを取ってから考えるべきです。
一番になれば認知度が圧倒的になります。
それまでは、狭いエリアでの一点突破戦略でシェアを徹底的に上げていき、地域一番店を目指していきましょう。
ヒットする年間販促計画の立て方
1年分の販促計画を事前に考える
販促を行なう媒体を決めたら、次は年間販促計画を立てていきます。
行き当たりばったりで販促を行なっても、高い効果は期待できません。
多くのサロンでは、計画的な販促ができていないのが現状です。
売上が落ちてから、慌てて企画を考えてもなかなかお客様の心を捉えることはできないのです。
販促活動で考えなくてはならないことは、媒体だけではありません。
どの時期に実施するのか、どのくらい費用をかけるのか等を、あらかじめ決めておかなくてはなりません。
ちなみに販促費は粗利益の10~15%を目安として、予算との兼ね合いで考えていきましょう。
仮に粗利益が3000万円ならば、年間の販促費は300万~450万円となります。
チラシで最優先すべきは撒く回数
チラシで最も優先すべきことは撒く回数です。
何度もチラシを届けることで、あなたのお店を覚えてもらう効果を重視しなくてはいけません。
ただし、リラクゼーションサロンは清潔感が重要なポイントになるので、チラシもそれを意識しなくてはなりません。
できればコート紙を使用し、カラーはピンクなどの暖色を使う方が良いです。
さらに販促は、イベントを絡めて行うことで効果を発揮します。
オープンイベントは当然として、1周年記念、決算セール、クリスマス、新機器導入体験会などなど、開催できそうなイベントはたくさんあるでしょう。
ただし、儲けるためのイベン卜はお客様にそれが伝わります。そのため、内容に納得ができるイベントを企画しなくてはなりません。
フリーペーパーを効果的に活用する方法
フリーペーパーの広告を研究する
フリーペーパーは手頃な広告媒体として知られています。
全国各地に様々な種類が存在しており、あなたの街でも利用できるものがきっとあるはずです。
販促方法を考える際、あなたの地域のフリーペーパーも一度チェックするようにしてください。
なぜなら、販促手段を考えていく上で、フリーペーパーがキーになることもあるからです。
まず、フリーペーパーの選定に当たっては読者層に注意します。
フリーペーパーにはターゲットとしている読者層が必ずあるので、発行している出版社に問い合わせるか、対象となるフリーペーパーを読んでターゲットに当たりをつける必要があります。
できれば、バックナンバーを取り寄せて広告内容の傾向を見てみるとよいでしょう。
例えば、大手のグループではないサロンが数ヶ月にわたって広告を掲載しているとすれば、その媒体はリラクゼーションサロン向けとしては有効と考えられます。
なぜなら、効果がないなら掲載をすぐに止めるはずだからです。
フリーペーパー内の競合との差別化を図る
フリーペーパーの場合、リラクゼーション関連の広告が非常に多い傾向にあります。
つまり、フリーペーパー内での競争も激しい状態なのです。
フリーペーパーで効果を上げるためには、競合と差別化した広告にする必要があります。
また、スペースには限りがあるため、伝えたいことを簡潔にまとめなくてはなりません。
自店の強みとしている部分を強調し、お客様へのメリットを踏まえて掲載するようにしましょう。
さらに、ホームページヘの誘導を入れておけば、多くの情報を伝えることができるでしょう。
インターネット全盛の時代のホームページ活用術
なぜホームページが必要なのか
インターネットが普及した現代では、HPなしでは経営が成り立たなくなってきています。
HPがないお店や会社は、怪しいと思われてしまう時代なのです。
お客様は、新しいお店に行くときや新しいものを買うとき、必ずネットでそのことについて調べます。
そこで情報がなければ、行動を躊躇させてしまうのです。
さらに最近ではスマホも普及し、いつでもどこでもインターネットにつながる時代になりました。
年配の方でも、ネットでお店探しをするのが当たり前になりつつあるのです。
アマゾンに代表されるように、ネットで何でも手に入れることができる時代です。
ネット通販サイトでは、月商1億円以上売り上げている店が数多く存在します。
今後もインターネットは更に普及し、進化していくことは間違いありません。
ほとんどの人はネットで店を探す
HPを作成するメリットは、ページのつくり方次第で信用力のある大企業と比べても遜色のないように見せることができることです。
また紙媒体と違って、情報を随時更新することが可能で、好きなだけ情報を載せることができます。
地域密着で営業しているサロンの情報を、世界規模のインターネットの中で宣伝しても意味がないと思うかもしれませんが、最近ではインターネットも地域性を持たせることができるようになっています。
インターネットの普及は凄まじく、HPを見て来店するお客様が中心になっているお店も多いのです。
飲食店や美容院など個人営業の店舗でも、HPでの集客が新規客獲得のメインになりつつあるのです。
業者に騙されないホームページ作成のキモ
最も重要なのは業者選び
HPを作ろうとする場合、最も悩むのは業者選びではないでしょうか。
どの業者がいいか分からない、知識がないから業者の話についていけない、何を盛り込んだら良いか分からないという方のために、HP作成業者を選ぶポイントとつくり方を紹介していきたいとおもいます。
業者選びは重要で、業者次第で中身が大きく変わってきます。
HP開設後も更新していく必要があるので、コミュニケーション力があり、これまでの製作実績もしっかりしている、信頼のおける業者を選ぶようにしましょう。
最近では、格安のHP業者が増えていますが、値段だけに注目してしまうと作る意味がなくなってしまいます。
HPはあくまでお客様を集めるために作るので、しっかり集客につながるHPが作れる業者に頼むようにしましょう。
1度HPが出来上がるといろいろ要望が出てきます。
そのため、最初から完璧なものをつくろうとしないことが重要です。
HPに掲載する内容で最低限必要なものは、自店の特徴、スタッフプロフィール、メニュー表、営業時間、地図、料金表です。
これに加えて、あなたが必要と思うものを追加するようにしましょう。
また、サロンの外観や内装、施術写真等を多用して、サロンイメージはしっかり伝えなくてはいけません。
素人っぽいHPになると、お客様が離れてしまい、かえって逆効果になるのがサロンのホームページの特徴なので、ここの部分はこだわるようにしましょう。
ブログはオープン前に開設する
サロン出店を決意した時点でブログを開設しておけば、オープン前からファンをつくることができます。
スタートダッシュを決めるためにも、ぜひ取り組むようにしてください。
ブログでは、サロンのコンセプトから店舗探し、内装の打ち合わせなど、オープンするまでの過程を公表していくとよいでしょう。
またブログがあれば、万が一HP開設がオープン後にずれ込んだとしても、チラシ等の販促物にブログのアドレスを記載することができます。
ブログは無料で解説できるので、有効活用していきましょう。
ホームページにSEO対策は必須
SEO対策しておかないと誰にも見られない
SEO対策とは、検索ページで上位にランクインさせる対策をすることです。
検索されないことにはお客様がページに辿り着くことはないため、HP運営にとって最も重要な部分といえるでしょう。
例えば、福岡市でこれから岩盤浴に行こうと思っている人は、グーグル等の検索ページで「福岡市 岩盤浴」と検索します。
そして、検索されたページの中から比較検討し、良さそうなお店を選んで来店するのです。
お客様のほとんどは、検索結果の1ページ目にしか目を通しません。
そのため、検索結果で1ページ目に入ることができなければ、比較してもらうことすらできないということです。
また、HP開設時だけ、SEO対策をしても十分ではありません。
検索エンジンの上位表示のルールは日に日に変化し続けるので、継続的に対策を行う必要があります。
そのため、HPのどのページが何回見られているか、どのような検索語で辿り着いているか、どの検索エンジンから辿り着いているか、どのような頻度でページを見に来ているか等を分析しなければなりません。
この分析結果を活用すれば、今後のHPの改良につなげていくことができます。
SEO対策は、奥が深く時間も必要なので、専門家に任せた方が無難でしょう。
しかし、業者と対等に交渉するためには、SEO対策についての最低限の知識は必要です。
PPC広告は開業当初に効果的
また場合によっては、PPC広告の活用も検討してみましょう。
PPC広告とは、指定したキーワードの検索結果ページの広告枠に、自店サイトが表示されるというものです。
SEOに関係なく、検索結果の上位に表示することができるため、SEO対策が効き始めるまでは非常に効果的といえるでしょう。
また、表示されるだけでは広告料を払う必要はなく、クリックされてはじめて広告料が発生するしくみとなっています。
広告費の上限も設定できるので、予算の調整もしやすい仕様となっています。
HPで集客するには、多くの人にサイトを見に来てもらうためのSEO対策と、このサロンに行ってみたいと思わせるページづくりの両輪が必要不可欠なのです。
テレビに取り上げられ一気に認知度を拡大する方法
マスコミに取り上げられるコツ
「マスコミに取材してもらえたら、一気にお客さまが増えるのに」と誰もが思うことでしょう。
マスコミに取り上げてもらうことができれば、お金をかけず集客することができます。
しかし、実際マスコミに取り上げられるのは至難の業です。
そこでここでは、テレビ局や新聞社の記者から聞いた、マスコミに取り上げられるコツを紹介していきましょう。
前提条件として、記事として取り上げられるものは「ニュース性」と「社会性」のあるものです。
取り上げられるネタとしては、サービスの新規性、独自性、地域初、読者にとって身近なネタ、目を惹く見た目等といったことがキーワードになります。
また、今まで他のメディアに取り上げられていないこともポイントとなります。
なぜなら、他のメディアで既に取り上げられていたらニュースになりません。
そのため、マスコミに一斉にリリースするより、媒体を絞り御社だけに流しているリリース、という形をとることで掲載確率を高めることができます。
また、大きく記事に取り上げてくれる要素にもなるようです。
取り上げたくなるリリース文をつくるポイント
マスコミは、確かな情報でなければ取り上げてくれません。
公表する数字や、リリース内容が虚偽あるいは誇大な表現であってはならないのです。
ここでは、リリース文を作成するときのポイントを紹介していきます。
まず、専門用語を使ってはいけません。専門用語を使い内容が分からなければ、取り上げてもらえる確立は一気に下がってしまいます。
中高生でも分かる文章で書くことを心がけましょう。
次に、売上や単価、客数等を正確な数字を記載し記事の内容を裏付けます。
そして、魅力的なタイトルをつけましょう。
広告もリリース文も、タイトルで読むか読まないかが決まります。
また、リリース文はA4用紙1枚にまとめるのがベストです。
要約の「リード文」でまとめた上で本文を作成するようにしましょう。
最後に、写真やイラストで情報を補完します。マスコミは専門家ではないので、ビジュアルで何を訴えたいかを表現すると分かりやすいのです。
リリースは、基本的には郵送やFAXでマスコミに送ります。
また、記者の中には情報源として、商工会や公的機関の情報を活用している方もいるので、そのような機関にアプローチする手もあるでしょう。
イベントでクチコミや紹介をどんどん増やす
お客様からのクチコミや紹介ほど、ローコストかつ効率良く優良な新規客が獲得できる方法はありません。
何らかの広告を見て来店するお客様と紹介でくるお客様とでは、最初のサロンに対する印象が全く違います。
そのため、紹介で来店するお客様はリピートにもつながりやすいのです。
ここでは、クチコミや紹介を得るための施策をいくつか紹介していきます。
まず一つ目が、紹介カードです。
名刺サイズの紹介カードを作り、お客様に渡しておきます。
財布やカード入れに入るサイズにしておくと、サロンのことが話題にのぼった時にいつでも利用できます。
カードには、サロンの思いを一言にまとめ、メインのメニュー、地図、電話番号、住所、HPのURLを記載しておきます。
また、QRコードを記載して、携帯サイトにアクセスしてもらうようにするのも良いでしょう。
紹介限定の割引券や施術時間延長券を付け、紹介先にも紹介元にもメリットがあるようにすればどんどん紹介してくれるでしょう。
次に、セミナーの開催です。「正しい骨盤体操講座」や「よく分かるリフレクソロジー」等といった専門的なことを教えるセミナーを定期的に開催するようにします。
サロンの考えや思いを伝えつつ、セラピストやサロンの施術に触れてもらうことにより、お得意さまの囲い込みと紹介の獲得を狙うことができます。
セミナーに知り合いを誘うことは、サロンを直接紹介するよりハードルが低く、紹介発生率が高くなります。
そこで満足してもらえれば、次はサロンに来店してもらえるというわけです。
このように、あなたのサロンを広めるためには、様々な方法を駆使しシェアを拡大していかなければなりません。
場当たり的な販促活動を行っていては、いつまでたっても集客に悩むことになります。
販促費も無限にあるわけではないので、費用対効果を検討しておかないとすぐに資金不足に陥ります。
販促を成功に導くには、オープン前からしっかりと計画を立て実行に移さなければならないのです。
今から開業する人にとっては朗報ですよね。
また、すでに開業している人も今から計画を立てれば間に合います。
あなたのお店を地域で一番にするためにも、ぜひ計画を立てて実践してみてください。